長尾断層剥ぎ取り標本(三木町氷上トレンチ)


常設展で展示中の標本

 
標本点数 約1点 保管場所 香川大学博物館展示室


長尾断層剥ぎ取り標本
長尾断層は、斎藤実名誉教授が、1960(昭和35)年に命名した香川県最大の活断層です。高松市香南町西庄から東かがわ市大川町南川にいたる約20kmにわたって、高松平野と丘陵との境界をなしています。1997(平成8)年度と2000(平成12)年度に行われた、トレンチ調査と反射法地震探査によって、長尾断層は南へ50°前後傾斜する逆断層であることが分かっています。
 長尾断層は、長さ約20km、1回あたりの変位量1.5〜2.0mからマグニチュード(M)7クラス(兵庫県南部地震はM7.3)の地震を発生させる活断層です。約3万年間隔でM7クラスの大地震を発生させていますが、約1700年前よりも新しい時代に活動があったことから、今度50年間に再び活動して大地震を起こす可能性は、ほとんどないようです
右図:長尾断層の分布とトレンチ地点
 (A:鮎滝断層、B:大川撓曲)
下図:トレンチ東面のスケッチ
  右側の流紋岩(ピンク色)と左側の
  段丘堆積物の境界(赤線)が断層
長谷川修一(工学部)